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【笑顔が輝くその日まで】-nb ページ13
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自分では気が付かなかった。
知らぬ間に、体に負荷がかかり過ぎていたこと。
知らぬ間に、感情が薄れてきていたこと。
もうすぐ、大切な仕事があるのに。
もうすぐ、もうすぐ、なのに。
どういう感情か分からないから、この零れる涙も、なんなのか。
重たい体を動かすこともできず、なんのやる気も起きない。
頭痛が終始付き纏うけれど、そんなの気にならない。
冷たさを求めているのか、毛布一枚で十分。
何度手を額に当てても、温かい。むしろ熱い気もする。
自分が熱を発していることは間違いなく、喉も酷いぐらいに渇く。
食べ物を口にしたいとは思わなくて、喉も渇いているのに。
もう何十回と鳴った携帯を手にすることも、できない。
『…阿部、ちゃん、』
微かに、そんな声が聴こえた気がした。
それがうわ言のような、そんな気もした。
バタンと大きな音がして、気が付けば、
真っ白な天井を眺めていた。
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年7月5日 18時
