5にん 22

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聡side

あれから、いじめになった。学校行ったら大声で人殺しって言われて、机にも書かれたし、水かけられたりもしたし、お弁当捨てられたりもした。

もう何ヶ月も経つみたいに感じだけど、たった1週間の出来事だったんだ。でも、俺には耐えれなかった。辛くて、色々されたり、言われたりするたびに罪悪感ばっかり生まれた。

俺なんかが生きててごめんなさい。俺なんかに優しくさせてごめんなさい。罪悪感と、ただもう辛さと、苦しさと怖さと不安と…金曜日の昼休みに言われた一言で決心した。

「おめーのにいちゃん達が知ったら捨てるんだろーな。今まで育ててきたこと死ぬほど後悔すんじゃね？弟のこともいつか殺すって思うだろーな」
健人くんたちが過去のこと知ってるのは知ってる。教えてくれたのは2人だし。勝利も知ってるって言ってたし。

でもっ！きっと心のどっかで怖がられてるんじゃないかって。毎日毎日いじめられて、そう思うようになってたから、もう健人くん達に迷惑かけるのやめようって決めた。

だから家帰ってすぐリュックに色々入れて、迷惑にならないように、せめて一緒にいた時間後悔されないように部屋の掃除もした。もし今日中に上手くいい居場所見つからなかったらもう終わりにしよう。地獄に落ちて、殺したお父さんに謝ろう。

健人くんにも風磨くんにも勝利にもマリにも。合わせる顔がなくて、一言ありがとうってそれだけ書いて、もし死ねたら健人くん達に伝えたい言葉なんてそれ以外ないから、それだけ見つかりにくいように引き出しに入れた。

でもね、俺、めっちゃ死にたいしもう全部終わりにしたいのに、死ねなかった。いろんな屋上に上がれる商業施設とか行ってみたけど、全然怖すぎて屋上に一歩行ってみたけど一瞬でやめた。

怖いよ。死ねないよ。死にたくないよ。それで、ずーっと階段に座り込んでた。帰れないし、もう俺の居場所なんて無くなっちゃった…。そう思ってた。

だけど、誰かが階段を駆け上がる音が聞こえて、すごい顔した健人くんと目があったの。びっくりした。
「何考えてる！はぁっ、ふざけるな！！はぁっはぁっ」
パシィィィィン！

息切れしてるのに、めっちゃ怒鳴られて何も考える暇がない間に思いっきりほっぺた叩かれた。
「いっ…」
痛すぎて、でもめちゃくちゃホッとしちゃって涙がいっぱい出る。

「聡っ何してんだよ。こんなとこで。帰るぞ」
健人くんに抱きしめられて背中撫でられて、もうほんとに。俺なんて馬鹿なんだろって。

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