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風磨side
「ただいま」
「聡がね、手首カッターで切ったの。健人くんの部屋来てって…」
マジか…なんでこう間に合わないんだろうな。てか、上からすんごい声聞こえた気がしたけど…
コンコン
「兄貴…」
「ぁ、おかえり」
「うっうぅっ!う!うっ」
ベッドに座ってる兄貴の上で聡が泣きじゃくってる。しかも兄貴の腕、ところどころ真っ赤になってるし。
「聡…手首大丈夫か?」
「手首は大丈夫。風磨、悪いけど冷たい飲み物ストローマグで持ってきてくれる?」
「わかった」
すぐ持って上がるよ。あと兄貴の分のも。
「ありがと。聡、飲みな?落ち着こう」
「兄貴、腕どしたの?」
「ん〜失敗した」
苦笑いで聡にバレないように聡のこと指差してるから、多分聡が大暴れしたんだろうな…
「ひっくぅ…うっうぅっ」
「よしよし。聡、ごめんね。話せるタイミングまで待つから。話せるなら話してね」
兄貴の横座って聡の頭撫でてた。ほんとだいぶ時間かかったけど、ゆっくり聡が口開いた。
「ごめっなさっい…ふっうぅっ!ひっく」
「何が?」
「だいっじにっ…できなくって」
「そっか。うん。それは後できっちりお仕置きするから」
「……」
また黙っちゃった。けど、今日は多分もう一切妥協しないはず。こんなに短期間にまた自分のこと傷つけると思わなかった。
「お母さんに手紙、書いてみる?」
「ぇ…」
え?なんで今その話?
「嫌ならいいよ。でも書きたいならいつでも書けるから。きっと返事もくれるよ」
「聡、過去と向き合うのは俺だって怖いんだ。聡がね、過去のことで何か辛い思いしてるなら、話してみてほしい。絶対になんとかする」
「…っひっくぅ…!うっ!うっぅっ!」
あーまた泣いちゃうな?兄貴がぎゅって抱きしめてるから横から涙拭ってやる。
「バレッひっくぅ…ちゃったぁっ…ぐずっ」
「学校の子に?」
頷いてるし、兄貴の顔がめちゃくちゃ険しい。さっきまで柔らかく笑って聡に話しかけてたのに。ま、俺の顔も固まってると思うけど。だって、なんでバレるんだよ。バレる要素がないはずなんだよ。
「ひぐっ…うぇっ、!きょっ、きょー…カッターっ!ぐずっ!椅子っ上!」
「置かれてたんだな?」
許せないんだけど。なんてことされてんだ。
「…っけっと…くったちっのひっくぅ!!ことっいつかっ…殺すって!」
「言われたんだな?」
「我慢っできな…くてっ!カッターっひぐぅ叩きっつっけ…てっ…」
「自分が怖くなっちゃった?」
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おもち - お返事ありがとうございます。リクエスト受け付けてくださってありがとうございます。また、いつでも良いので楽しみになっています。質問の答えもありがとうございます。また兄弟とは違うアイドルの5人の関係性のお話もいつの間にか夢中になって読んでしまいました。 (2022年7月31日 22時) (レス) id: 836469eff3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - おもちさん» リクありがとうございます!書いてみますね!リアル設定で書いているもう一つのお話はリクいただいたり、書きたいなぁとなれば更新します。どちらも読んでいただけて嬉しいです! (2022年7月30日 13時) (レス) id: d712c140e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - きいこさん» コメントありがとうございます!頑張ります!! (2022年7月30日 13時) (レス) id: d712c140e9 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 具体的な怒られる内容は特に希望はないです(遊園地とか旅行の迷子とかお腹冷やして風邪とか学校の事とかなんでも)間違ってたら申し訳ないのですがもう一つのお話も好きなのですが、あちらはお話は更新(リクエスト)はされないのでしょうか?不躾な質問ですみません (2022年7月29日 23時) (レス) id: 836469eff3 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - いつの間にかお話の虜になり一気に読みました。軽い感じのお話でマリちゃんに対して幼稚園児並みに心配して過保護すぎて最終的に他の兄弟に呆れられてしまうみたいな、ちょっとほのぼのしたお話をもし、よければリクエストさせていただけたらと思います。 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 836469eff3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年7月17日 3時