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「負けるのは…嫌い。」
宮舘はそう呟き、銃をホルスターに戻す。
彼もまた、戦闘モードへ切り替えた。
目の色が変わり、鋭くかつ冷ややかである。
「舘さんの覚悟は無碍にしない。翔太に銃口を向けた事、後悔すんなよ？」
岩本がそう言って宮舘に向かって拳を振るう。
しかし、宮舘は一歩も動かない。
「……負けたら、何も言えない。勝たなきゃ俺の主張なんて通らない。今回において俺は恩人を殺させない。その主張を通す為に戦うしかない…。」
宮舘は岩本の拳を片手で受け止めて捻る。
渡辺は少し安堵した。
本来ならば、見たくない。
でも、目を逸らす訳にはいかない。
「照、本気出しなよ。」
「舘さん…。」
「俺は俺の主張を通す為にやる。だから、照も己の主張を通したいなら、俺を本気で倒しなよ。」
宮舘はそう呟き、身軽に間合いを詰めて更なる攻撃を加えるが、それを間一髪、受け止める岩本。
高レベルの戦いが繰り広げられている。
「分かったよ。久々に本気で舘さんと勝負を挑む。舘さんがそう簡単に折れるタイプじゃないってのは昔からタイマン勝負していてよく知ってるしね…。」
岩本はそう言って再び、間合いを取って構える。一方で渡辺は宮舘の言う恩人の前へ密かに移動していた。
「アンタ、涼太に何を吹き込んだ？」
渡辺は静かに殺気を込めていた。
今、この空間の中で最も冷静なのは、意外と渡辺なのかもしれない。
「吹き込んだっていうのはあまりにも悪い見方ね。宮舘くんは忘れていた事を思い出しただけよ。」
「涼太を玩具みたい扱うつもりなら俺は許さない。アイツの想いを侮辱するなら、俺はアンタを容赦無く殺す。」
「不気味な関係性ねぇ。宮舘くんの肉親の命を殺めたのに彼に寄り添って、それも当事者が認めてるなんて。歪を通り越してるわ。」
「アンタに関係無い。俺と涼太に口出しすんな。」
「貴方にも何を言っても無駄そうね。」
「俺にも…？」
渡辺はそこが引っかかった。
まさか、宮舘にも同じような話を吹っかけたのかと…。
「貴方が勾留されてる間、宮舘くんにも説いたけど、彼の心は何も変わらなかった。彼には貴方が必要なんだってね。」
「余計な真似しやがって…。まあ、そんな無駄話、涼太は聞き流すだけさ。それより、アンタ、深澤に何の恨みがある訳？アイツが誰かを蹴落とすタイプじゃない事くらい分かってんだろ？」
「それこそ、貴方には関係無い話よ。」
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赤雪(プロフ) - ceruさん» コメントありがとうございます！幼馴染が好きすぎるあまり色々と書きやすいんですよね。そう言ってもらえて嬉しい限りです！マイペースですが、更新頑張りますので宜しくお願いします！ (2月24日 1時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
ceru(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！赤雪さんの作品の、世界観や展開、それぞれの関係性が凄く好きです！特に幼馴染の2人の関係性がとても好きです。これからも更新楽しみにしています！ (2月23日 20時) (レス) id: c99a8bf9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤雪
| 作成日時：2023年1月27日 18時
